プラントベースフードとは
昨今、健康と環境に対する意識の高まりから、「プラントベースフード(Plant-based Food)」が注目を集めています。これは動物性食品を排除し、植物性食品を主に用いた食事のスタイルのことを指します。多彩な野菜、果物、穀物、豆類、種子、ナッツなどが主要な食材となります。
このプラントベースフードが注目される背景には、食の選択が私たち自身の健康だけでなく、地球環境や生物多様性にも大きな影響を及ぼすという認識が広まっているからです。では具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。この記事では、プラントベースフードの両面を深く探求します。
プラントベースフードのメリット
メリットは大きく分けて3つあります。「健康への効果」「環境保護への寄与」そして、「動物福祉」。それぞれの観点でどういったことが挙げられるのか、見ていきましょう。
1. 健康への効果
心臓病のリスク減少:豊富な食物繊維、ポリフェノール、良質な脂質を含む植物性食品は、コレステロールを下げ、血圧を正常化し、心臓病のリスクを減らすことが研究で示されています。
糖尿病予防:プラントベースの食事は血糖値の管理に有効で、2型糖尿病のリスクを減らす可能性があります。
体重管理:植物性食品は一般的に低カロリーで満腹感を与えやすいため、体重管理に有効です。
癌予防:フルーツや野菜などの植物性食品に含まれる抗酸化物質や食物繊維は、一部の癌のリスクを減少させるとされています。
2. 環境保護への寄与
地球温暖化の緩和:畜産業は温室効果ガスの大きな源であり、森林破壊の一因でもあります。一方、プラントベースの食事は、食料生産における温室効果ガス排出量を大幅に減らすことができます。
水資源の節約:畜産は大量の水を必要とします。動物性製品よりも植物性食品の生産に必要な水の量は遥かに少ないです。
生物多様性の保護:大規模な畜産業は森林破壊を引き起こし、生物多様性を脅かしています。一方、プラントベースの食事は、より持続可能な食料生産システムを促進します。
3. 動物福祉への配慮
動物福祉を重視する人々にとって、プラントベースの食事は動物への苦痛を最小限に抑える方法として選ばれます。
世界中の多くの畜産業は大規模な工場農場で運営されています。これらの場所では、動物たちは狭い空間で過ごし、自然の行動を制限され、ストレスを経験し、しばしば苦痛を伴う医療処置を受けます。これらの条件は、動物福祉にとって深刻な問題とされています。大規模な工場畜産は、動物に対する不適切な取り扱いが問題となっており、動物性食材を使用しないプラントベースの食事はこれらの問題を避ける道となります。
これらの点から、プラントベースフードは健康、環境、倫理的視点からのメリットがあると言えます。ただし、バランスの良い食事とサプリメントの適切な使用で栄養素の不足を補うことが重要です。
プラントベースフードのデメリット
1. 栄養素の偏りと不足
プラントベースフードは、植物由来の食品のみで構成されます。そのため、一部の栄養素が不足する可能性があります。具体的には、動物性食品で主に摂取されるビタミンB12、鉄、亜麻仁油から得られるオメガ3脂肪酸などが挙げられます。
ビタミンB12は神経系の健康に必要な栄養素で、自然界の植物にはほとんど含まれていません。一部の海藻類や補強食品、ビタミンB12を加えたサプリメントから摂取することも可能ですが、これらの食品を日常的に摂取するのは困難であると感じる人もいます。
鉄についても同様で、植物由来の鉄(非ヘム鉄)は体に吸収されにくい特性があります。ただし、ビタミンCを一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。
オメガ3脂肪酸は心臓病の予防や脳の健康に関与する重要な栄養素ですが、主に魚などの海洋動物から得られます。亜麻仁油やチアシードなどの一部の植物性食品にはオメガ3脂肪酸が含まれていますが、これらを常に食事に取り入れるのは難しい場合もあります。
2. 味覚の違い
肉や乳製品など、動物性食品特有の風味を好む人にとって、プラントベースフードへの切り替えは一筋縄ではいきません。
プラントベースフードは動物性食品とは異なる風味があり、すぐには受け入れられない人もいるでしょうし、肉特有の食感や風味、チーズのクリーミーさを再現するのは難しく、こういった食品を重視する人にとっては満足度が下がる可能性があります。
デメリットへの対策は?
確かに、プラントベースフードにはいくつかのデメリットが存在しますが、それぞれの問題点に対して打ち消すまたは軽減する策も存在します。それぞれの課題に対して、具体的には以下のような対策を検討することが可能です。
ビタミンB12:シリアルや豆乳などの補強食品や、ビタミンB12を含むサプリメントを摂取することで不足を補うことが可能です。
鉄:植物性食品の鉄は非ヘム鉄であり、体に吸収されにくいとされていますが、ビタミンCと一緒に摂取することで鉄の吸収効率を高めることが可能です。また、レンズ豆、ひよこ豆、豆腐、カシューナッツ、種子類、干しシイタケなども良い鉄源となります。
オメガ3脂肪酸:プラントベースのオメガ3脂肪酸の良いソースは亜麻仁油、チアシード、ヘンプシード、クルミなどです。また、海藻オイルのサプリメントもあります。
また、プラントベースフードが味や食感で動物性食品に劣ると感じる場合、次のような方法で満足度を高めることができます。
新しい食材や調理法の探求:様々な種類の野菜、穀物、豆類、ナッツ、種子などを試し、自分の好みに合うものを見つけ出しましょう。また、調理法やスパイスの使用も味や食感に大きく影響し、違和感なく食事が楽しめるようになるかもしれません。
代替食品の利用:プラントベースのミートやチーズなどの代替食品は、動物性食品に近い食感や風味を提供することが可能です。また、植物性食品のみのレシピでもプロのシェフが開発をするなどで風味を十分に楽しめる食品を楽しむことが可能になります。
これらの対策を用いることで、プラントベースフードのデメリットを最小限に抑えつつ、その多くの利点を享受することが可能となります。
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