目次
- 現状と問題点 - 我々の食事が環境にどのような影響を与えているのか
- 食事と温室効果ガス - 食事が気候変動にどのように寄与しているのか
- 環境に優しい食事の選択肢 - プラントベースの食事とローカルフード
- 食物の廃棄と環境 - 食品の無駄遣いとその環境への影響
- 持続可能な食事のためのステップ - 個々が実践できる環境に配慮した食事の選択
現状と課題 - 私たちの食の選択が環境に与える影響
気候変動から生物多様性の損失まで、私たちの地球はさまざまな環境問題に直面しています。こうした差し迫った問題の中にあって、私たちの食の選択という、重要でありながら見過ごされがちな要因があります。
食料の栽培方法から皿に盛るものまで、世界の食料システムは環境に多大な影響を及ぼしています。現在の食糧生産と消費のパターンは、森林伐採、汚染、資源の過剰利用、温室効果ガスの排出など、さまざまな環境破壊の原因となっています。
実は農業は温室効果ガスの重大な排出源であり、農場から食卓までの全ライフサイクルを考慮すると、世界の総排出量の約26％を占めています。これには、食料の飼育や栽培による直接的な排出だけでなく、食品の加工、包装、輸送、廃棄に伴う間接的な排出も含まれます。
さらに、私たちの食生活の選択は、これらの影響を悪化させる可能性があります。動物性食品を多用する食生活は、植物性食品を多用する食生活に比べ、特に資源集約的であり、温室効果ガスの排出量も多くなります。さらに、食品廃棄は大きな問題であり、世界で生産される全食品の約3分の1が廃棄され、不必要な資源の使用と排出につながっています。
まとめると、私たちの食糧システムと食生活の選択は、今日私たちが直面している環境問題に大きな役割を果たしています。これらの問題に対処するためには、私たちの食器をよく観察し、どうすればより持続可能で環境にやさしい食品を選択できるかを考える必要があります。
食品と温室効果ガス排出 - 私たちの食生活が気候変動に与える影響
気候変動について議論するとき、電気、熱、輸送のために化石燃料を燃やすという、いつもの容疑者に焦点が当てられることがよくあります。しかし、私たちの食生活が世界の温室効果ガス排出に大きく寄与していることは、あまり知られていません。
前述の通り農業だけで、世界の温室効果ガス排出量の約26％を占めていると推定されており、その大部分は畜産によるもので、特に牛や羊などの反芻動物は、強力な温室効果ガスであるメタン（二酸化炭素の25~28倍の温室効果）を大量に発生させます。
農業、特に牧草地の造成や飼料用作物の栽培による土地利用の変化も、温室効果ガス排出の一因となっています。農地にするための森林伐採は、樹木や土壌に蓄積された大量の二酸化炭素を放出し、大気中の二酸化炭素を吸収する森林の能力を低下させ、南米のアマゾンでは広大な面積でこの問題が起きています。
私たちが摂取する食品の種類は、食生活のカーボンフットプリントの大きさに大きく関わっています。動物性食品、特に赤肉や乳製品を多く含む食事は、上記の理由から植物性食品を多く含む食事よりも温室効果ガス排出量が多い傾向にあります。
このように、私たちの食生活の選択は、気候変動に対する私たち個人の貢献に大きな影響を与える可能性があります。食の選択が環境に与える影響を理解することで、私たちは低炭素で持続可能な選択肢を選ぶよう、より多くの情報を得た上で決断することができるのです。
環境にやさしい食の選択 - 植物性食品と地元産食品
私たちの食の選択が環境に与える影響を理解するにつれ、食生活によって大きな変化をもたらすことができることが明らかになりました。食事の環境フットプリントを減らすのに役立つ2つの重要な点は、植物ベースの食事にシフトすることと、地元の食品を選ぶことです。
果物、野菜、穀物、豆類が豊富で、動物性食品が少ない植物ベースの食事は、食品に関連する環境への影響を減らす効果的な方法です。いくつかの研究によると、植物性の食事は、動物性食品を多く含む食事に比べて、土地、水、エネルギーなどの資源を必要とせず、温室効果ガスの排出量も少ないことが示唆されています。植物性の食事は環境的な利点があるだけでなく、栄養素が豊富で健康増進に役立つことが多いのです。
地元の食材を選ぶことも、食生活の環境フットプリントを減らす方法です。食品を長距離輸送すると、冷蔵や燃料の使用による排出で二酸化炭素排出量が増加します。地元産の食品を選ぶことで、こうした輸送による排出量を削減することができます。
しかし、「地元産」が自動的に「より良い」ことを意味するとは限らないことにことに関する面白い調査があります。例えば、イギリスのオックスフォード大学の研究チームによると地元産の赤肉を食べることは、海外の植物性食品を食べるよりも圧倒的に多くの温室効果ガス排出量が多いということが分かっています。食品のサプライチェーンにおいて、移動によって発生する温室効果ガスの占める割合は限定的であるということです。（参考：地産地消は二酸化炭素排出量の削減にほとんど効果がない、という研究結果！その食材が「どこから来るか」よりもその食材が「何か」の方が重要）
結論として、植物ベースの食生活を取り入れ、可能な限り地元の食材を選ぶことは、より持続可能で環境に優しい食生活への前向きな一歩となり得ます。しかし、食料の産地や内容だけでなく、そもそも何を食べるかという選択が、持続可能性を考慮する上で極めて重要です。
食品廃棄と環境 - 食品廃棄が環境に与える影響
食品とその環境への影響について語るとき、しばしば見過ごされがちな食品廃棄の問題について議論することが不可欠です。世界中で、人間が消費するために生産される食料のうちなんと約3分の1が廃棄されています。この廃棄は、農場から私たちの食卓に届くまで、食品サプライチェーンのあらゆる段階で発生しています。コンビニエンスストアのようなお店で賞味期限が厳格に管理され、食事が廃棄されているシーンはよく見ることがあると思います。
食品廃棄は、いくつかの点で気候変動の一因となっています。廃棄食品の生産、加工、輸送、廃棄に使用される資源は、不必要な温室効果ガスの排出につながります。食品廃棄物が埋立地に捨てられると、嫌気的に分解され、強力な温室効果ガスであるメタンが発生します。
さらに、食品廃棄物は、増加する世界人口に食料を供給する機会を逃すことになります。毎晩6億9,000万人近くの人々が空腹のまま就寝している世界では、食品廃棄物を削減することは、食糧安全保障に大きな利益をもたらす可能性があります。
食品廃棄に対処するには、食品サプライチェーンのあらゆる段階での取り組みが必要です。生産面では、農業慣行の改善やサプライチェーンの効率化が有効です。小売店や消費者レベルでは、食品に対する行動や態度を変えることで大きな変化をもたらすことができます。そのためには、食事の計画をよりよく立てたり、賞味期限に関して寛容になったり、期限の設定方法を改めて考えたり、残り物を創造的に使うことを学んだりすることが必要です。
まとめると、食品廃棄に取り組むことは、環境に優しい食生活の重要な要素です。無駄遣いを減らすことで、私たちは食べ物が環境に与える影響を減らし、お金を節約し、より食糧安全な世界に貢献することができるのです。
行動する - 環境にやさしい食生活を送るために
私たちの食の選択が環境に与える影響を理解したものの、では"変化をもたらすためにはどうしたらいいのだろう？"と疑問に思う方もいるもしれません。ここでは、環境にやさしい食生活のためにできる、簡単で効果的なステップをご紹介します。
1. 植物性食生活へのシフト： 動物性食品、特に赤身肉や乳製品の摂取を減らし、植物性食品を多く摂ることで、食事の二酸化炭素排出量を大幅に減らすことができます。
2. 食品廃棄物を減らしましょう： 食事の計画を立て、食品を適切に保存し、食品の賞味期限を理解し、残り物を利用することで、無駄を最小限に抑えましょう。生ゴミを堆肥化するのも、生ゴミを減らし、土壌を豊かにする良い方法です。
3. 自家栽培：スペースに余裕があれば、家庭菜園を始めると、新鮮なゼロマイル・フードが手に入ります。ハーブやサラダ菜を鉢植えで少し育てるだけでも違います！
4. 持続可能な農業を支援しましょう： 可能な限りオーガニックや持続可能な方法で生産された食品を選び、環境に優しい農法を支持しましょう。
より持続可能な食生活を送るための一歩を踏み出すのは簡単なことではありませんよね？私たち自身も全く完璧と言えませんが、少しでも多くの人が達成できそうな小さな変化から始めて、時間をかけて積み重ねていくことで、大きな影響を与えることができると考えています。
こうした行動をとることで、環境フットプリントを削減できるだけでなく、おいしい食事を楽しみ、健康を増進し、より良い生産者を支えることができます。環境にやさしい食生活は、地球にとっても私たちにとってもWin-Winなのです！
私たちGrinoは環境負荷の低い食事の開発に取り組んでいます⬇︎
