今回紹介する論文は、プラントベースの食事が体重状態に及ぼす影響について調査したものです。この領域に専門的に取り組む人たちの先進的な研究結果を共有することで、プラントベースフードに関する知識が少しでも皆さんに共有でき、食生活にポジティブな影響があれば幸いです。
プラントベースの食事とは
動物性食品をすべて、あるいはほとんど含まない食事です。心臓病、脳卒中、糖尿病、ある種のがんなどのリスクを減らすなど、多くの健康上の利点があることが示されており、また、植物由来の食事が減量に役立つというエビデンスもあります。
このシステマティックレビュー（明確に定義された研究課題に対して、系統的かつ明示的な方法を用いて、関連する研究を同定、選択、評価し、その結果を要約する方法）では、プラントベースの食事が体重とBMIに及ぼす影響についてのエビデンスを調査しました。
この論文では、プラントベースの食事が体重減少につながる可能性があるという証拠がいくつかあることが判明しましたが、その証拠は強力ではありませんでした。これらの知見を確認するためには、さらなる研究が必要です。
論文「Effects of Plant-Based Diets on Weight Status： A Systematic Review」の5つの主張と、その主張を捉える情報
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プラントベースの食事は、雑食の食事よりも体重やBMIが低い可能性があります。
➡️11の研究のうち、植物ベースの食事が体重とBMIの低下と関連していることが示されました。
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介入研究では、プラントベースフードが体重やBMIの減少に関連している可能性があります。
➡️7つの介入研究のうち、6つで植物性食事が体重やBMIの減少をもたらすことが示されました。
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プラントベースの食事は、過体重または肥満の人により顕著な効果をもたらす可能性があります。
➡️5つの研究のうち、植物ベースの食事が過体重または肥満の人により顕著な影響を及ぼすことが示されました。
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プラントベースの食事が体重状態に及ぼす影響は、他の要因とは無関係である可能性があります。
➡️4つの研究のうち、植物ベースの食事が体重の状態に独立して影響を与えることが示されました。
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プラントベースフードが体重に及ぼす効果は、複合的な要因によるものである可能性が高い。
➡️植物性食品は、低カロリーで食物繊維が多く、グリセミック指数が低い特徴を持っています。
このシステマティック・レビューの結果は、植物ベースの食事が体重やBMIを低下させ、減量や体重状態の改善に効果的な方法である可能性を示唆しています。ただし、これらの結果を確認し、植物ベースの食事を最適に実施するためには、さらなる研究が必要です。
プラントベースフードの影響
以下は、論文の要点です：
・プラントベースの食事は飽和脂肪とカロリーが低く、減量に役立ちます。
・植物性食品は食物繊維が豊富で、満腹感や満足感を得やすいです。
・植物性食品には、タンパク質、鉄分、カルシウムなど、減量に重要な栄養素が豊富に含まれています。
この論文の著者は、プラントベースの食事が減量に役立つという証拠はいくつかあるが、これらの知見を確認するにはさらなる研究が必要であると結論付けています。また、エビデンスの質は高くなく、プラントベースの食事が体重減少に及ぼす長期的な影響を調査するには、さらに多くの研究が必要であるとも指摘しています。
著者らは22の研究を対象とし、そのほとんどはランダム化比較試験（研究結果の偏りを排除し、研究結果を客観的に評価することができます）でした。
対象は、過体重または肥満、2型糖尿病、または体重増加リスクのある参加者。
研究の結果、プラントベースの食事は、体重の大幅な減少と体脂肪の減少に関連することが示され、最も効果的なプラントベースの食事は、低脂肪のビーガンまたはベジタリアン食でした。これらの食事は、血圧やコレステロール値など、他の健康指標の改善にも関連していました。
主な所見
以下は、論文の主な発見です：
・プラントベースの食事は、減量と健康増進に効果的。
・低脂肪のビーガンやベジタリアンの食事は、減量に最も効果的なプラントベースの食事。
・プラントベースの食事は血圧とコレステロール値を下げるのに役立ちます。
・プラントベースの食事は、心臓病、脳卒中、癌のリスクの減少など、他の多くの健康上の利点と関連しています。
この論文の著者は、プラントベースの食事は減量と健康増進のための有望なアプローチであると結論づけています。彼らは、これらの知見を確認し、減量のためのプラントベースの食事を実施する最適な方法を決定するために、より多くの研究を実施することをお勧めします。
結論
総括すると、この論文の結果は、過体重や2型糖尿病、心臓や血管のリスクや疾患、関節リウマチを抱える人々にとって、植物性の食事に移行することが健康に有益である可能性があることを示唆しています。
体重の減少は、食物繊維や多価不飽和脂肪、植物性タンパク質の摂取量の増加によって説明され、エネルギーや飽和脂肪、動物性タンパク質の摂取量の減少も関連しています。脂肪摂取が制限され、それに続いてエネルギー摂取も減少することが多いため、植物ベースの食事による効果は、特定の植物ベースの食事によって異なる栄養組成やエネルギー含量によっても影響を受ける可能性があります。
さらなる研究では、より大規模で代表的な正常体重の健康な人々を対象とした研究が必要です。また、動物性食品を除外するだけでなく、他の食事の変更がない場合の効果を具体的に評価するために、適切な研究デザインを選択する必要があります。
要約した論文：
著者｜Tran E, Dale HF, Jensen C, Lied GA.
論文名｜プラントベースの食事が体重状態に及ぼす影響： 系統的レビュー（Effects of Plant-Based Diets on Weight Status: A Systematic Review）
発行日｜2020年9月30日
URL｜https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7533223/
