近年、食事のタイミングを意識的にコントロールする「プチ断食(ファスティング)」「半日断食(ファスティング)」が注目を集めています。これは 一定の時間、食事を控えることで健康効果を得ようとするものです。
食事の回数に関しては、これまで1日3食が当たり前と考えられてきました。
しかし、科学的根拠から見ると、1日3食は必ずしも最適ではないことが分かってきました。むしろ、適度な断食を取り入れることの方が健康に良い可能性が示唆されているのです。
1日3食の問題点
1日3食を取ると、食事と食事の間隔が6時間以内になりがちです。ところが、消化には最低6時間は必要とされており、3食では消化器官に過剰な負担がかかっていることになります。
加齢とともにこの負担は大きくなり、消化器官は休む暇が無くなってしまいます。その結果、健康被害が生じやすくなるのです。実際、肥満や生活習慣病は3食が普及した明治以降に増加しています。
断食でオートファジーが活性化
一方で、16時間以上の断食を行うと、身体にある「オートファジー」と呼ばれる機能が活性化します。
オートファジーは、体内の老廃物を処理し新しい細胞を作る仕組み。この作用により、体内環境がクリーンアップされ、細胞の更新が促されます。
具体的な効果としては、DNAの損傷防止、抗酸化作用の向上、腫瘍の抑制、免疫力の向上などが挙げられています。これらは、がんや生活習慣病などの予防に大いに役立ちそうです。
実践のポイント
16時間断食を日常生活に取り入れるコツは、睡眠時間に配慮すること。睡眠8時間と、朝食後と夕食前に4時間ずつ食事を控えるだけで、16時間断食が可能になります。
我慢できない場合は、オートファジーを活性化するナッツ類を限定的に摂取しても構いません。ナッツには以下の効果があります。
オートファジーの促進
ナッツに含まれる不飽和脂肪酸がオートファジーを活性化させるとされています。オートファジーが活発になることで、体の代謝機能が高まります。
血糖値の上昇抑制
ナッツには糖質は含まれていませんが、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は糖の吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぎます。
腸内環境の改善
ナッツの食物繊維は腸内環境を整える働きがあります。良好な腸内環境は免疫力向上にもつながります。
空腹感の抑制
ナッツにはタンパク質や食物繊維が多く含まれるため、空腹感が抑えられます。断食中の空腹感を紛らわせる効果が期待できます。
健康な脂肪の供給
ナッツには不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、健康に良い脂肪を補給できます。コレステロール値改善にも良い影響があると考えられています。
注意すべきポイント
・初めての場合は短い断食時間から開始して 徐々に断食時間を延ばしていく
・低血糖にならないよう、健康状態に注意
・基礎疾患がある場合は医師に相談
これらの点に留意すれば、断食は誰にとっても簡単に実践できる健康法といえそうです。食事のタイミングを見直すことで、病気のない生活を送る一助になるかもしれません。