こんにちは、Grinoマサノです!
今回は7月27日に配信した『Grino Sustainable Radio』のトークを書きおこしました。
今回は、以前3人で鑑賞した『オクジャ』を手掛けたポン・ジュノ監督が、地球温暖化後の世界を描いた『スノーピアサー』の感想回です。数々のメタファーが散りばめられた発見の多いエンターティメント作品です!※多くのネタバレを含みます。
【作品情報】年々深刻となる地球温暖化を防ぐため世界中で人工冷却物質が散布された。その結果、地球は新たな氷河期に突入。生存者は走り続ける列車内で暮らしている。支配層と非支配層が車両別に分けられた列車内で、厳しい階層社会への不満から反乱が起こる。『オクジャ』『パラサイト 半地下の家族』を手掛けたポン・ジュノ氏が監督・脚本を勤めた2013年製作の近未来エンターテイメント映画。現在ドラマ版もNETFLIXで公開中。
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ユウ:こんにちは、Grino代表のユウです。
マサノ:こんにちは、Grinoのマサノです。
ショウタ:こんにちは、Grinoのショウタです。この番組は地球とあなたに美味しい選択肢、冷凍プラントベースフードを作るGrinoのPodcastコンテンツです。今日もゆるく真面目に話していきます。よろしくお願いします。
2人:お願いします。
ショウタ:映画企画もだいぶ長いこと続いてますけど、今日はドキュメンタリー映画ではなくて前に「オクジャ」を観たんですけど、その時と同じポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」という作品を今回観た感想をしゃべっていこうと思います。
マサノ:はい!
ショウタ:皆さん、このあと感想をしゃべってもらいますけどマサノさんに作品情報を読んでもらおうかなと思います。お願いします。
マサノ:頑張ります。作品情報です。年々深刻となる地球温暖化を防ぐため世界中で人工冷却物質が散布された。その結果、地球は新たな氷河期に突入。生存者は走り続ける列車内で暮らしている。支配層と被支配層が車両を分けられた列車内で厳しい階層社会への不満から反乱が起きる。「オクジャ」「パラサイト‐半地下の家族」を手がけたポン・ジュノ氏が監督脚本を務めた2013年製作の近未来エンターテイメント。現在ドラマ版も Netflixで公開中。
ショウタ:はい、ありがとうございます!これも一部、Netflexから拝借しつつ手作りの説明文なんですけどもし間違ってたら指摘ください。意外と「パラサイト」よりも「オクジャ」よりも古い作品で。僕、実はまだ「パラサイト」は観てないんですけども。ドキュメンタリーとはまた違った形の感想回になるんじゃないかなと思って楽しみにしてます。ちょっとグロめのシーンも多いんですけど。戦うシーンはそこまで重要じゃないんで、そこを飛ばして観てもらっても面白い映画かなと思ってます。ネタバレ含みますので観てない方は観ながら聞いていただきたいんですけれども。では、ユウさん、感想をお願いします!
ユウ:今回は感想なんだもんね。作りがエグイですね、けっこう。僕が感じた表現としては、「スリーハンドレッド」「マッドマックス」を足して2で割った作りでした。「スリーハンドレッド」っていうのはスパルタの戦士がペルシャ帝国と戦うっていうのを3Dを使いながらやってるんですけど。陰影がけっこう激しくて若干マットな質感の動画だったんで、何分頃か覚えてないんですけど、ウォーターセクションに行く前に黒マスクの戦闘集団と戦うシーンがあったんですよ。めざしぼうみたいな泥棒がよく被るやつを被った戦う人たちとの戦闘シーンがあって。これは完全に「スリーハンドレッド」で観たスパルタがペルシャ帝国と戦っているシーンとダブりました。
マサノ:へぇ~、そうなんだ。
ユウ:だから、僕は好きでした。「スリーハンドレッド」僕、好きだったんで。めちゃくちゃ良かった。あとは世紀末の未来の雰囲気とか。これもマッドマックス感がすごくあって。どっちも未来を描いてるじゃないですか。そんな未来が待っているかどうかわかんないけど、未来っていうとあの感じに行きがち。「マッドマックス」と「スノーピアサー」みたいな。すごい極端な世界ですよね。電車に押し込んで車両別に階層があって。本当にそんな世界があるかどうかイメージつきづらいんだけど、世紀末な感じがすごかった。僕、けっこう高所恐怖症なんで電車が走ってるところがマジでアウトでしたね。VRで見てたらもう失禁レベルだと思う。
ショウタ:初めて知った。
ユウ:そう。高いとこ、ダメなんですよ。世界、つないでましたよね。北アメリカ・南アメリカ、太平洋横断してアジアの方に来てアフリカの方までみたいなのが全部線路でつながってるっていうほぼ実現不可能な世界。設定が面白いと思いまして。あとはね、ティルダ・スウィントン?
ショウタ:女優さんですね?
ユウ:「オクジャ」にも出てた。女優さんで。この人が相当いい演技をしていたな、ぶっ飛んだ。僕、「ナルニア王国」っていうファンタジー映画、若かった頃好きで観てたんですけどこれに出てたんですよ、ティルダ・スウィントン。そのときは氷の魔女みたいな役で冷静で冷徹な役回りだったんですけど、「オクジャ」のときも今回も笑える役してたじゃないですか。入れ歯を取るシーンとか面白いなと思って。演技の幅がすごく広くて面白いなと。あとは、前方車両すごい!
ショウタ:(笑)。
ユウ:水族館があって、アクアポニックスでしたっけ、水耕栽培的なのもあったり。後方車両と前方車両の格差がかなり激しくて、後方車両は地球を凝縮した感じ。
ショウタ:まさにそうですね。
ユウ:そう。後方車両が比較的、発展途上国とかすこし昔で言うと第三国家。発展しきれていない国々があって、一方で発展途上国っていうのはめちゃくちゃ恵まれた生活をしてて、実際の世界でも日本とかアメリカで食料廃棄が起きてるのに飢餓の問題で苦しんでる国があるとか、誇張表現じゃないなって。
ショウタ:全体を舐めていただいてありがとうございます。僕も1個1個シーンを思い出しながら聞いてた感じですね。マサノさんはどうでしたか?
マサノ:そもそも今回初めて観るので。ユウさんは初めてでした?
ユウ:僕は初めてです。
マサノ:ショウタさんは前に観たんですよね。
ショウタ:はい。
マサノ:こないだ「オクジャ」の話をして「スノーピアサー」の話があったときに全然観るの抵抗ないと思ってたんですよ、普通にエンターテイメントの映画として。そうだそうだ観なきゃ~と思ってラフな感じで見始めたら、最初からの本当に閉鎖的な、それはまた映画の作り方をついつい見ちゃうんですけど、列車の中の暗くて劣悪な環境と外の真っ白の世界との対比がすごく面白いなって思って。途中、気持ちが暗くなっちゃって過酷なシーンが多いので、ところどころ目を伏せたりしながら観ていたんですけど。ひとつは今後あり得るよなっていうのはやっぱり最後にドキっとしたというか。観てる途中はシンプルにその映画に集中してるのでハラハラドキドキっていう感じだったんですけど、やっぱり今回この映画月間でドキュメンタリーとか映画を観ていく中で、前回言ったかもしれないんですけれど、自分で食べ物にアクセスできる環境を作っておくっていうのはちょっと大袈裟かもしれないですけど今の社会でも何かあったときにそれこそ東京に住んでたとしても何か電気・ガス・水道が使えないよ~とか食べ物も買えない、家から出られない、もしくは何かあったとかなったときに、でも、例えば家でちょっと作ってた野菜があったからものすごい大変な思いしなくて済んだとかそういうこともありえるなっていうのは危機感的にも感じていて。楽しみとして農業とか畑とかそういったことをやりたいなぁ~みたいの感覚から、何かあったときのためにやっぱり自分で食べ物にアクセスできる環境をちっちゃくてもいいから作っておくっていうのはこれから生きていく上で重要なんじゃないかなってところまで危機感的には感じてしまって。ものすごく迫られた危機感ではないんですけど、薄々とそういう危機感あるよなって改めて思いまして。今回のこの氷河期に突入してしまっても、あらすじでも読ませていただいた通り、地球温暖化が進んでしまってこの半島で冷却物質を作って、それが度を超えてしまってあれだけ寒くなってしまって外では生きられない、だから列車の中で生きるみたいな形になって思うんですけど。本当にこの最近の気候変動から本当にありえるかもしれないよなっていうのを危機感を改めてすごく感じたってのが一番ありまして。
ショウタ:うん。
マサノ:ショウタさんがインスタとかでもあげているシェア畑とか改めて興味を持ったっていうのがあったんですけど。映画としても怖いところは多々あったんですけれど、意外にも観られました。本当に良くないシーンとかはカットしてくれたというか見せないでフレームアウトした状態で何か変化が起きるみたいな映し方にしてたのですごく私的には見れないところは少なめだったのでホッとしてました。楽しんで観られたので正直もう1回見返したなって思ってます。状況の変化が速くないですか?流れが速い、2時間ぐらいあって割と長い方だと思うけど展開が早いので。
ショウタ:たしかに。
マサノ:最初の方とかもう1回見直したいなとかシンプルに映画として楽しむことができました。すみません、支離滅裂になっちゃったんですけど。ハッピーニューイヤーみたいなタイミングがどこを通過すると1年経ったみたいなのがみんなもうわかっていてその年の迎え方っていうのが斬新で。
ユウ:たしかに。
マサノ:列車の中でずっと暮らしてるんだから、十何年とか。そりゃあそうだよなぁて思ったんですけど、映画の中ではその感じも当たり前のようになってて。カルチャーショックというか、ショックな感じはすごい受けましたね、絶望だなっていう感覚が。
ショウタ:そうか、そういうことかぁ。
ユウ:地球の公転みたいな感じですよね。
マサノ:うんうんうん。
ユウ:太陽の周りをまわる代わりに世界一周が1年になるみたいな。
マサノ:あれ、1年っていう考え方で合ってるんですよね?
ユウ:ハッピーニューイヤーって言ってましたもんね。
マサノ:この地点を通過すると1年っていう感じですよね。
ユウ:なになに橋を通過したとき、ですよね。
ショウタ:そういわれると時計みたいなものは出てこなかったですね。
マサノ:たしかに。
ショウタ:普通は時計を見てカウントダウンするけど、通過した場所で今何月なんだろって言ってるのかもしれないですね。
マサノ:あともう1個だけ。韓国人の、名前はわからなかったですけど。その方が銃撃戦とかで窓に穴が開いてそこから雪の結晶が入ってきてそれがスローモーションで映るシーンがあったんですけど、そこでその雪の結晶が見えるっていうのは氷が溶けてきてるから雪の結晶が見えるようになるみたいなことをおっしゃっていて。この人は何とかして列車内で爆発物を手に入れながら集めつつ最終的には爆発させて外の扉を壊して外に出ようっていうのを実は計画したかと思うんですけど。そういうふうにあの列車に乗ってる人でリーダー格の人ですら、外に出ようっていう発想がなかったと思うんですよ。でも、やっぱり絶望の中にも可能性を見出して変化を見てその人はもう10何年、外の景色を見ながら同じ場所を通るので、外の景色が変わっていくっていうところに着目して「これは外の気温があったかくなってきてるから起きてる変化だなっていうのを感じ取って自分の中で脈々とそういった計画をしていくっていう方がいらっしゃったと思うんですけど。
ショウタ:うん。
マサノ:いざ混乱が起きたり何か起きたときについつい当たり前のようにそこを我慢するんだとかみんなが行ってる方に行こうとかっていう思考にやっぱりなっちゃうんですけど、そうじゃない可能性もあるんだってやっぱり信じて、結果あのラストだと思うんですよね。その方はたしか亡くなったと思うんですけど。そうやって人類発展してきたのかなと思いましたし、なかなか難しいし、勇気がいるんですけど、そういう発想ができる視野を広く見て行動できるって並大抵のことじゃないなって、あの中で。
ショウタ:なるほど、なるほど。
マサノ:ごめんなさい、長くなっちゃった。
ショウタ:ありがとうございます。僕もカウントダウンのところは言われて時計がないなぁとか。僕がこれを紹介したのはそもそも温暖化のことに関して触れてる映画を直近この映画月間に観てないなと思ったんで、映画の中に出てきたものは数々あると思うんですけど。温暖化がやりきった後の世界ってまだ僕らは経験してないから、こういうSFを通じて想像していくしかない。完全にこの世界はないにしても、地球があったまりすぎたから冷却装置で冷却しちゃうみたいな安易な手段を取る可能性はゼロじゃないなと思ったときにそういったことが起きるんじゃないかっていうのから何か考えられることがあるんじゃないかと思って、僕も記憶が曖昧だったんですけど、もう1回観るって意味で提案したんですよ。
マサノ:うんうん。
ショウタ:改めて冷静に観て思ったのはいろんなメタファーっていうか隠喩・暗喩みたいなものが散りばめられてる映画だなぁって改めて観て思ったんですけど。だから、何回観ても発見があると思うんですよ。これってこれを表してるんじゃないかなとか、この表現って現実世界にこういうことが起きてることをオマージュして言ってるのかなとかっていうのがけっこう多い箇所だなと思ったんで、これから観る人も2回目3回目観る人もそういう見方をすると面白いのかなと思ったのがおすすめの観方です。たとえば止められない列車、永久機関の列車が舞台になっているのも止められない資本主義みたいなものを表してる1個の象徴的なものとして永久機関の列車を用いたと思うんですけど。車両ごとに住んでる人種が違うっていうのも世界を凝縮するとこんな感じだって、ユウさんも最初に言ってましたけど。そういったものをメタファーとして列車を選んでるんだと思ったので、そのへんも面白かったなぁと思います。そう思ったときに2時間を通じて思ってたのは自分は何両目に住んでる人なのかなっていうのはすごい考えながら。
マサノ:うんうん。
ショウタ:間違いなく最後列ではないけど最前列の方でもないし、間違いなく。だから、真ん中の方に乗ってるのかな、もしくはちょっと前ちょっと後ろなのかなと思ったときにその世界は幸せなのかどうなのかっていうのは想像、ほとんど映んないんですけどね、真ん中。
マサノ:そうですね。
ショウタ:極端な上の方と下の方しか映らないんですけど、それは想像して余白部分として楽しめるところかなと思いました。結局いろんな人が死ぬじゃないですか。ほとんど殺し合いで2時間終わっていくと思うんですけど。それだけ聞いたら観る気が失せる人もいるかもしれないんですけど。でも、それが世界なんだろうなっていうのもあるし、今もウクライナとロシアが戦争してるし、それ以外の地域でも戦争が起こってるからそれに代表されるように強いリーダーと武力でしか世界を変えられないっていうことも2時間を通じて言ってるのかなと思ったんですよ。
マサノ:うんうん。
ショウタ:それに対して疑問を投げかけてるというか。他の解決策ってやっぱりないんだっけっていう。めちゃくちゃ人が死んでて、先頭車両に乗ってる強い指導者がいるからこの均衡が保たれてるっていうこの選択肢しかないんだっけっていうのは映画から聞かれてる気がしましたけどね。
マサノ:そうですね。
ショウタ:っていうのがいろんな箇所を見ると出てくる。最後超ネタバレですけど、最後方にいた5歳の子供が部品の一部として働いてたっていうのがラストに出てくるけど、それも別に今起きてる社会と変わらない。
マサノ:そうですね。
ショウタ:その人たちが作ってるちっちゃい部品が富裕層の何かの商品の一部として使われたりするじゃないですか。そういう知識があればある人ほど見てて苦しくなる映画なのかなと思ったんですよね。知識がない人はシンプルにエンターテインメントとして面白い映画。これって非現実の世界じゃない部分もあるよなって思うことからちょっと勉強してみようかなって思えるっていう意味で見るとすごい映画だなって思ったんですよ。いっぱいしゃべりましたけど、金曜ロードショーとかでもやっててもおかしくない。そこから影響をもらって調べるっていう人が何%かいてもおかしくない映画だなと思った。人がいっぱい死ぬから難しいのかもしれないけどもっと地上波でも流してもいい作品なのかなと思いました。以上でございます。
マサノ:はい。
ショウタ:ポン・ジュノ作品をいっぱい観たいなって改めて思いましたね。ドキュメンタリー映画でいうと。僕も娘が大きくなったら一緒に観たいなと思いました。ユウさん、どうですか?
ユウ:うん。おもしろい。なんで電車に乗ってるんですか、あの人たち。電車じゃなくてもいいのにって観てて思った。
ショウタ:さっき僕が冒頭で言った止められない資本主義。成長を止めたら動くことを止めたら終わってしまう資本主義を表すことの1個のメタファーとして永久機関の列車っていうのをたぶん。車だと乗れる数が限られてくるし飛行機だとリアリティーがないからたぶん列車にいきつくしかなかったんだと思うんだけど。
ユウ:普通に考えたら地下にいた方があったかそうじゃん。地表が寒いんだからさ。
ショウタ:たしかに。
ユウ:なんで電車なんだろ?
ショウタ:地下も掘れないくらい雪があるんじゃないんですか。
ユウ:ふ~ん、そうなんだ。あれ、誰がまいたんですか、寒くなる薬品。
ショウタ:政府というか、全世界でまくのが決まったんだと思いますけど。「スノーピアサー」の映画のサイトに行くと78か国、79か国云々って冒頭の説明で書いてます。
ユウ:そういうのもあれでしょうね、北側の諸国が決めてやってるんでしょうね。そんな感じがしますよね。
ショウタ:うん、はい。ちょっとお時間も来ましたので、ネタバレも多分に含んでるんで最後まで聞いてくれたかどうかわかんないですけど、もしまだ観ていただいてない方がいたら是非観てください。何回観ても発見がある!ちょっとグロいところは飛ばしながら観ることもできてそれでも楽しめる映画だと思うんで、是非観てみてください。今日は「スノーピアサー」の感想回でした。ごちそうさまでした!
2人:ごちそうさまでした!
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