こんにちは。Grino編集部です。
私たちが手掛けるプラントベースフードについて、日々勉強したり考えたりしている中で、プラントベースな食生活が、地球にやさしいという魅力に負けないぐらい、我々日本人の身体に非常にやさしい食品・食事だということが分かってきました。
そこで今回は、『あなたの健康のためになるプラントベースフード』と題して、動物性食品(動物性脂肪)が身体に与える負担や、健康面への影響について紹介しながら、プラントベースフードの魅力を再発見していきたいと思います。
プラントベースフードとは
まずは「プラントベースフード」の定義について説明します。
プラントベースフード(食)とは、植物性の食材からつくられた食品や、植物性の食材を積極的に取り入れた食生活全般のことを指しています。
同義として理解されている方も多い「ヴィーガン食」との違いについても説明します。
ヴィーガン食は、肉類はもちろん、卵、乳製品、魚、はちみつなどのあらゆる「動物性食品を摂らない完全菜食主義の食生活」のことです。
食事だけではなく、革製品やシルクなどの食品以外のものでも動物性の製品は一切使用しないなど、動物愛護・動物福祉(アニマルライツともいう)や脱動物搾取という思いから、ヴィーガンというスタイルになる人も多いことが特徴です。
つまりプラントベース食は「完全菜食主義」ではなく「積極的に植物性の食品を摂る食事」と言い換えることができると思います。
※Grinoはヴィーガンの方でもお召し上がりいただけるように、動物性食材を一切使用していない食品を販売しています。
※ 出典:GreenCulture 『今知りたい!プラントベースの定義について徹底解説 ヴィーガンとの違いは?』https://greenculture.co.jp/column/knowledge01/
動物性食品が日本に広まった歴史的背景
もともと、昔の日本人はプラントベースな菜食中心の生活をしていました。
魚介類を食べることはあっても、現在の日本のように牛肉や豚肉を日常的に毎食口にするという食生活が一般化したのは近代になってからです。
ここからは、動物性食品・食材が日本に広まった歴史的な背景を紹介していきます。
明治初期(1871年ころ)の文明開化がひとつ目のキッカケです。
これによって西洋料理が日本に続々と持ち込まれ、その味を日本人の味覚に合わせた和洋折衷のアレンジメニューが生まれました。
すき焼きやカレー、とんかつ、コロッケ、肉じゃがなど、欧米の食文化をそのまま受け入れるのではなく、日本人の口に合うように工夫した料理は、「洋食」と呼ばれるようになりましたが、今ほどの普及率ではありませんでした。
そして、ふたつめの大きなキッカケが敗戦です。
第二次世界大戦後、戦争に敗れた日本は、アメリカのGHQ連合国軍 総司令部のもとで様々な改革が進みました。
現在では当たり前になっている学校給食もそのひとつでした。
戦後間もない1946年の暮れ、学校給食が正式に開始されます。
給食はユニセフからのミルクやアメリカからの小麦粉を材料につくられ、シチューなどがその代表的なものでした。学校給食は、戦争で食べ物がなく、栄養不足だった日本の子どもたちの体力を回復させる貴重な役割を果たしていたのです。
主にパンとミルクからなる日本の学校給食は、日本人のお米中心の食習慣に大きな変化をもたらしました。戦後の食生活では、肉類とその加工品、バター、チーズ、牛乳、卵などの動物性タンパク源の消費量が爆発的に増加しました。
やがて、戦後の日本人の食生活が改善されてくると、食品企業がさらに開発を進め、インスタント食品、冷凍食品、缶詰類などの加工食品が普及しました。その結果、乳製品に加えて牛肉や豚肉を使用した動物性食品の消費量が増加したのです。
さらに、1960年に「貿易為替自由化」が起こりました。これによって輸入数量制限が緩和され、さらに食の欧米化が加速しました。
1970年には日本初のファミリーレストラン すかいらーく1号店、ケンタッキーフライドチキン日本第1号店が続々とオープン。翌年の1971年には マクドナルド日本第1号店がオープンしました。 その後、ファミリーレストランやファーストフードが産業として急速に発展し、動物性食品がより一層 日常化していきました。
そして、高度経済成長期を経て、人々の生活が豊かになるにつれて、各国の料理を提供する様々な料理店が掲載されたグルメガイドブックが盛んに出版され始めました。この影響で、「食べ歩き」が日本中で流行するなど、外食そのものが娯楽になっていったのです。
動物性食品の摂りすぎによる代表的な病気
ここまで、もともと菜食中心の食生活だった日本人が、動物性食品を頻繁に食べるようになった背景について語ってきました。
そしてここからは、動物性食品の摂りすぎによって発症率が可能性が高まる代表的な病気を、そのメカニズムも交えて紹介いたします。ここ数年で患者数が大幅に増加している病気ばかりなので、親族や友人など身近な方々の中にも、患者やその予備軍がいらっしゃるかも知れません。
①脂質異常症
動物性食品の摂りすぎおよび食生活の乱れが原因で発症する代表的な病気の1つ目として「脂質異常症」があります。
2007年まで「高脂血症」と呼ばれていた病気です。
日本には2017年現在、推定220万人超の脂質異常症患者が居ると言われており、男性に比べて女性の方が約2.5倍も多いことが分かっています。 さらに、脂質異常症患者は年々増加傾向にあり、加齢によって患者数が増加している状況です。
脂質異常症(高脂血症)とは
脂質異常症(高脂血症)とは、生活習慣病のひとつで、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたし、文字どおり血液中の脂質が高くなっている状態のことを指します。
具体的には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が必要以上に多い状態、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態、血液中の中性脂肪であるトリグリセライドが必要以上に多い状態のいずれかを指します。これらはいずれも、動脈硬化を促進させてしまいます。
動脈硬化が悪化すると、狭心症や心筋梗塞、脳卒中など、命に関わる恐ろしい疾患を引き起こしてしまうのです。
脂質異常症の原因
脂質異常症の原因として、過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの過剰摂取、ストレスが主なものとして挙げられています。
LDLコレステロールが高値となる原因として、まず第一に食事による飽和脂肪酸の摂りすぎが挙げられます。
(※出典:e-ヘルスネット 『脂質異常症(実践・応用)』https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-013.html
飽和脂肪酸は、お肉の脂身、バター、ラード、生クリーム、パームヤシやカカオの油脂、インスタントラーメン等の加工食品に多く含まれています。
飽和脂肪酸と血中のコレステロールとの関係は、コレステロールと血中コレステロールとの関係よりも強く、LDLコレステロールが高い人が注意すべきなのは、まず飽和脂肪酸の摂取を減らしていくことが最優先です。
次いで、鶏卵などコレステロールの多い食品についても、食べ過ぎないことが重要です。(コレステロールの1日あたりの目標摂取量は200mg以下とされています。)
なぜ血液中のLDLが増えるのかというと、LDLを取り込むために細胞に存在している LDL 受容体がうまく働いていないからだということが明らかになっています。たとえば、1950 年代頃から、心筋梗塞などの冠動脈 疾患を起こしやすい国民とそうではない国民がいることが世界中の研究者から注目され、 アメリカ、オランダ、フィンランド、ギリシャ、イタリア、旧ユーゴスラビア、そして日本で、セブンカントリーズスタディという世界的な共同研究が行われました。
この研究でわかったことは、コレステロール値が高い国民は心筋梗塞を起こす確率が高いということでした。そして、動物性の脂肪、つまり飽和脂肪酸を多く含んだものを食べる頻度が高いことがわかったの です。
さらに、その後の研究で食事で摂った飽和脂肪酸が LDL 受容体 の合成を抑え、LDL値が高くなることが明らかになってきたのです。これが動物性脂肪(飽和脂肪酸)をたくさん食べることで体内のLDLコレステロール値が上がってしまう仕組みです。
(※出典:『Special Features 2 シリーズ「生活習慣病にならないために」第2回 脂質異常症』https://www.yakult.co.jp/healthist/214/img/pdf/p22_25.pdf)
脂質異常症から動脈硬化への進行の仕組み
LDLコレステロールが増えると、血管壁に傷がつき、その傷からLDLコレステロールが血管壁に入り込みます。血管壁に溜まったLDLコレステロールは酸化して、変性LDLコレステロールになります。
酸化したLDLコレステロールを体内から片付けるべく、体内の掃除屋であるマクロファージはLDLコレステロールを自分の中に取り込んで、泡沫細胞という細胞に変身します。
酸化LDLを取り込んだ泡沫細胞は血管壁に沈着して血管組織の構造を破壊し始め、「脂質プラーク」と呼ばれるコブをつくります。このコブが壊れやすいので、血小板が集まって血液のかたまりができます。
このかたまりが血液を詰まらせてしまうのです。
その結果、傷つき、弱くなった血管が切れてしまうと、その場所によって大きな病気を引き起こしてしまいます。
例えば、脳の深い部分に血液を送る細い動脈が傷つき、弱くなっているところに高い血圧がかかると「脳出血(脳内出血)」となります。
お腹や胸の大動脈が膨れて破れ、大出血を起こしやすい状態になっていたら、「大動脈瘤」を引き起こします。
これ以外にも、心臓に血液を送る血管(冠動脈)だった場合は「狭心症」や心「筋梗塞」、脳の血管の場合は「脳梗塞」や「過性脳虚血発作」、手足の血管の場合は「閉塞性動脈硬化」という大病にそれぞれ繋がっていくのです。
脂質異常症の発症および悪化を防ぐには
脂質異常症の予防には、やはり食事と運動が欠かせません。
食事によって脂質異常症を予防するには、以下の食品が効果的です。
●蓮根・ブロッコリーなどの野菜やバナナ・リンゴ等の果物(抗酸化作用を持つビタミンCやE、βカロチン、活性酸素を除去してくれるポリフェノールを多く含む)
●イワシ・サンマなどの青魚や寒流を泳ぐサケやタラ(これらに含まれているEPAやDHAが中性脂肪を減らす)
●きのこ・豆類・海藻(食物繊維がコレステロールを減らす)
●オリーブオイル(LDLコレステロールだけを減らす)
●大豆製品(抗酸化作用があり、LDLコレステロールや中性脂肪を減らす)
反対に、以下の食品には注意が必要なため、意識して摂取を減らすことが大切です。
●鶏卵の黄身やイクラ、タラコなどの魚卵(コレステロールが多い)
●魚の干物(酸化脂質を増やす)
●脂身の多い肉・内臓(脂質が多い)
●時間の経ったポテトチップなどの酸化した油(酸化脂質を増やす)
運動によって脂質異常症を予防するには、以下の運動が効果的です。
●ウォーキング
●サイクリング
●水泳
●ジョギング
●なわとび
これらの有酸素運動を週3〜5日、1日あたり20〜60分間おこなうことができれば望ましいです。
比較的弱い力が継続的に筋肉にかかり続けるため、エネルギー源として体脂肪が使われることが理由です。
脂質異常症に限らず、生活習慣病の予防や改善に効くと言えるでしょう。
コロナ禍以降、リモートワーク(在宅勤務)の普及で最近あまり歩けていないという方も多いと思います。歩数が少なければ少ないほど、脂質異常症率が高まると考えられるため、プラントベースフードを普段の生活に取り入れることでLDLコレステロール値が上がりにくい食事を心がけてはいかがでしょうか。
(出典:日経Gooday『善玉のコレステロール 食事と運動のどちらで改善?』https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/15/071300026/070200271/?P=2)
②大腸がん(大腸癌)
大腸がんとは
動物性食品の摂りすぎおよび食生活の乱れが原因で発症する代表的な病気の2つ目として「大腸がん」があります。
大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんのことで、
男性はおよそ11人に1人、女性はおよそ13人に1人が、死ぬまでの間に大腸がんと診断されている病気です。
女性のがんによる死亡数の第1位、男性は肺がん、胃がんに次いで3位、
男女合計では肺がんに次いで2位となっています。
女性の大腸がんは、罹患数では2位ですが、死亡数で1位になっています。 これは女性にとって死に至る可能性が高いがんであるとも考えられるため、特に予防したい種類のがんであると言えるでしょう。
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん情報サービス ganjoho.jp 」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html
年々、大腸がんの患者数は増加傾向にあり、この20年での大腸がんによる死亡数は1.5倍に拡大しています。
2019年のデータでは、がん全体で死亡した人は男性220,339人、女性156,086人(合計376,425人)となっています。
このうち、大腸がんで死亡した男性は27,000人超、女性は24,000人超、合計で51,000人超にものぼります。
大腸がんの原因
大腸がんになる原因としては、主に生活習慣の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると考えられています。特に肥満の方は要注意です。
これは食べ物を通じて体内に入ってくる動物性脂肪の影響が大きいためです。
胆汁酸を分解する過程に秘密がある
大腸がん発症のメカニズムを説明するうえで欠かせないのが、「胆汁酸」の存在です。
①人間は、動物性脂肪を摂取すると、肝臓でつくられた胆汁酸によって分解され大腸に運ばれます。
②大腸に移動した胆汁酸は、悪玉菌により「二次胆汁酸」に変化します。
③この二次胆汁酸に発がん物質が含まれており、粘膜と接触してがん発生の危険性が高まるとされています。
胆汁酸の増加に比例して、がん発生の可能性も高まっていくといえるでしょう。
※出典:『知っておきたい身体の変化 大腸がん』 http://www.e-kenshin.or.jp/health/coloncancer.php
動物性脂肪そのものに発がん性物質が含まれているわけではなく、分解の過程で発生する二次胆汁酸に、発がん性物質が含まれているというのは意外ですよね。
肥満と大腸癌の関係性
肥満の人も がんになりやすいと言われています。
近年の英国人524万人を対象にした追跡調査によると、22種類の癌のうち17種類のがんは「肥満であるほど増える」と報告されました。特に大腸がんは肥満の影響を受けやすい傾向があります。
肥満と大腸がんの関係
では、どうして肥満と大腸がんは関係しているのでしょうか。
それは肥満を引き起こす原因と脂肪細胞から分泌されるホルモンが関係しているからです。
●インスリンの過剰分泌
インスリンは肥満を引き起こす原因であり、血糖値を下げる役割があります。
肥満になるとこのインスリンの働きが弱くなる⇒インスリンの必要な量が増えて大量のインスリンが身体の中に出回ります。これを「高インスリン血症」と言います。
また、食べ過ぎや運動不足でも、体内に余った糖を処理するために大量のインスリンが分泌されます。
こうしたインスリンの過剰分泌が、癌細胞を増殖させる原因とされているのです。そのため、高インスリン血症という状態を引き起こす糖尿病患者は、欧米のデータでは大腸癌のリスクを43%も増加させたという報告があります。
※出典:肥満・生活習慣病と大腸癌 遠藤宏樹 日暮琢磨 高橋宏和 中島淳 横浜市立大学大学院 医学研究科分子消化管内科学https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/55/12/55_3735/_pdf
●内臓脂肪型肥満
腹腔内の腸のまわりに脂肪が過剰に蓄積しているという肥満のタイプです。比較的男性に多くみられるタイプで、この内臓脂肪型肥満も大腸癌のリスクにつながるとされています。分かりやすい目安としては、臀囲(ヒップ周囲径)が8cm増えると、大腸がんのリスクが15%上昇するという研究結果が出ています。
(※出典:糖尿病ネットワーク 『内臓脂肪が増えるとがんリスクが上昇 腹囲の増加は「危険信号」』 https://dm-net.co.jp/calendar/2017/026984.php)
大腸がんを予防するには
大腸がんを予防するには、食事&適度な運動によって肥満を予防することが大切です。
食事によって大腸がんを予防するには、以下の食品が効果的です。
●ビタミンDが豊富な食材:きくらげ、干ししいたけ
●食物繊維が豊富:インゲン豆、あずき、おから、しそ、よもぎ、エンドウ豆、パセリ、納豆、ごぼう、ゆりね、にんにく、アボガド
●カルシウムが豊富:油揚げ、パセリ、かぶの葉、がんもどき、モロヘイヤ、バジル、しそ、大根の葉
(※出典:NPO法人 女性を大腸がんから守る会『大腸がんについて-予防について』http://npo-colonna.com/yobo.html)
緑黄色野菜や魚を中心に食物繊維、カルシウム、そしてビタミンDの多い食事が有効です。適度に日光を浴びることで大腸がん予防にさらに有効となります。(野菜を全く食べないひとは野菜を十分食べている人の2倍大腸癌のリスクがあるとも言われています)
野菜不足、動物性脂肪や赤身肉・加工肉の取りすぎ、肥満、たばこやアルコールの飲みすぎは十分注意が必要です。
食事によって大腸がんを予防するには、「脂質異常症」の章で挙げた、有酸素運動をやはり週3〜5日間継続し続けることが大切です。
③糖尿病
動物性食品の摂りすぎおよび食生活の乱れが原因で発症する代表的な病気の3つ目として「糖尿病」が挙げられます。
糖尿病は、初期段階は自覚症状がほとんどないことが多く、症状が分かりづらい病気のひとつです。具体的には、疲労感、目のかすみ、皮膚の乾燥、頻尿、性機能の問題(ED)、傷が治りにくい等が挙げられます。
糖尿病の**患者数に関しては、2016年の厚生労働省のデータによると 強く疑われる人・可能性が否定できない人は約2,000万人にのぼります。**年齢が上がっていくにつれて男女ともに大きく増加傾向で、特に40代から大きく増加していく傾向にあります。
(※出典:厚生労働省 「糖尿病患者数の状況」)https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-08.html
糖尿病はその発症原因によって4つに分けられます。 「1型糖尿病」、「2型糖尿病」、「妊娠糖尿病」、「その他の原因や病気などによるもの」の4つです。日本では糖尿病 患者の95%以上が「2型糖尿病」で、これは食生活などの生活習慣の乱れが主な原因と言われています。(「1型糖尿病」の原因と予防策は確立されていません)
「2型糖尿病」は血糖を下げる働きのあるホルモンであるインスリンの分泌不足・作用不足で起こる病気です。
インスリンの作用不足には2つの原因があります。1つ目は、膵臓の働きが弱くなりインスリンの分泌量が低下するためです。2つ目は肝臓や筋肉などの組織がインスリンの働きに対して鈍感になり、インスリンがある程度分泌されているのに効きにくくなるためです。
「2型糖尿病」では体質以外にも、肥満や運動不足や食べすぎといった生活習慣の乱れが、「インスリン分泌低下」や「インスリン抵抗性」を引き起こすと考えられています。
動物性食品との関係については、動物性食品を食べ過ぎると飽和脂肪酸やコレステロールが増え、
これよって血管に膜が作られてしまうことが大きな要因なのです。
(※出典:知りたい!糖尿病『2型糖尿病とは~生活習慣病、高血糖~』https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/about2 糖尿病ネットワーク『大豆など「植物性タンパク質」が糖尿病リスクを低下 動物性の3%を置き換えただけで効果』https://dm-net.co.jp/calendar/2020/030407.php)
糖尿病を予防するには
糖尿病になるには、(もちろん遺伝も影響しますが)主に以下の3つの原因があります。
●食べ物、食生活(糖質・炭水化物の摂りすぎ)
●運動不足
●ストレス
それぞれを日々の生活の中で適切な量に調整することが重要です。
まずは糖尿病を予防するための食べ物について説明します。
積極的に取り入れたいのは、インスリンの働きを助けたり腸内で糖の吸収を抑えたりする食品です。具体的には、野菜やきのこ、海藻などに含まれる食物繊維です。食物繊維は腸の中に長時間留まり、糖質の吸収を邪魔してくれます。血糖値の上昇を緩やかにしてくれる栄養素で、糖尿病予防の味方です。プラントベースな食事はこれらの食材を豊富に含んでいるので、糖尿病予備軍の方には非常におすすめの食事と言えます。
おやつ・お菓子が食べたい時には低糖質で血糖値をあげにくいナッツ類がおすすめです。ナッツ類以外でも糖質10gまでのものであれば血糖値の上昇に大きく影響しません。
また、トマトジュース(できれば無塩のもの)に多く含まれるリコピンには、インスリンの働きを促進して血糖値を下げる効果が期待できます。
(※出典:Sync Health Blog『糖尿病は生活習慣の改善で予防〜今から食事・運動・生活を見直そう〜』https://www.health2sync.com/ja/company/blog/diabetes-prevention)
次に運動です。
適度な運動によりエネルギーを消費することにより、肥満を解消 ・抑制します。さらに運動を毎日続けていると筋肉の活動量が上がることで、悪かったインスリンの働きも改善します。食後1時間頃に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促されて血糖値が下がるという効果もあります。
現在の日本では成人の35.5%が運動不足だと言われています。米英に比べると改善傾向にありますが、それでも約3人に1人が運動不足の状況にあるのです。
運動不足を手軽に解消するためにおすすめなのが歩行運動、つまりウォーキングです。
ウォーキング時間の目安は1回につき20~30分間、1日2回程度がいいでしょう。頻度は「週に3日以上」が望ましいとされています。10分間でも効果はあるので、お昼休憩の時間やちょっとした空き時間などに気分転換も兼ねてお散歩をしてみるとよいでしょう。
(※出典:オムロンヘルスケア株式会社『vol.163 運動不足は、糖尿病の発症に関係するのでしょうか?』https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/qa/163.html)
最後に、ストレスを減らすことも、糖尿病の予防につながります。
ストレスが増えると、血糖を上昇させるホルモン(コルチゾール、グルカゴン、アドレナリンなど)が働き血糖が上昇しやすくなります。また、ストレスにより過食や運動不足に繋がり糖尿病の原因となることもあります。 (※参照:赤羽糖尿病センター『糖尿病の原因 ~食事、遺伝、ストレスなど~」https://akabanejinzonaika.com/diabetes-center/about/cause)
仕事や家庭など、多くのストレスが掛かる現代人。ストレスの根源を断つことは難しくとも、前述の運動時にできるだけ太陽の下で体を動かすことでストレスを減退させることができます。
日光を浴びると、人間の脳内で「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。これは精神の安定や平常心を保つなど、脳を活発に働かせるために重要な役割を果たす脳内物質です。特にストレスに対して効能があると言われています。
ウォーキング等の運動をできるだけ屋外でおこなうことによって、運動不足解消とセロトニン分泌によるストレス解消を同時に実行することができるのです。
まとめ
私たちGrinoメンバーも、今回の調査をしていく中で様々な学びと発見がありました。
あらためて、食事と運動によって私たちの身体と健康がつくられているのだと痛感し、食生活にプラントベースフードを取り入れていくメリットを再認識することができました。
体内の具体的な変化を知ることによって、普段何気なく口にするひとつひとつの食べ物に対する見え方や印象が変わっていくから不思議です。
例えば、夕食に魚料理が食べたいと思った時、(酸化脂質が増えるので)干物の優先度を無意識のうちに下げていたりする自分がいました。
正しい知識は正しい食習慣をつくるのだと強く感じるとともに、栄養学や食に関する知識は、現代人が大人になってから学び直すべき分野のひとつだと考えるようになりました。
Grinoとしても、食と健康に関する日本人のリテラシー向上に貢献すべく、これから(運動も絡めた)新しい取り組みを考えていきたいと思います!
ご一読くださりありがとうございました!
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