世界の温室効果ガス排出量の1/3は食べることに関係
最新の研究によると食事にまつわる温室効果ガスの排出量(以下GHG(Green House Gus)排出量)は2015年に18Gt CO2に達したとされます。これは全世界のGHG排出量の34%に相当します。GHGといえば工場からモクモクと出る煙、車の排気ガスのイメージが強く、意外と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、食事に起因するGHG排出量は人口増加と肉食の浸透により無視できる範囲ではなくなっており、本気で何を食べるべきか考えるフェーズに来ているといえます。
では、食べることに関係する排出とは何があるのか?をみてみます。
食事にまつわるGHG排出要因の上位は?
食事にまつわるGHG排出要因の上位(~82%)は畜産動物の成育工程、作物の生産過程、土地利用によるとされています。
畜産動物の生育過程(31%)
現在家畜を育てる過程で多くのGHGが排出されていることが分かっています。具体的には反芻動物の家畜(主に牛)は、飼料の消化プロセスを通じてメタンを生成します。そして、メタンは二酸化炭素の28倍の温室効果があるということが分かっています。天然漁業もこの中に含まれていますが、1%程度で漁船の燃料消費が該当します。
作物の生産過程(27%)
これには、人間が消費する作物と動物の飼料が含まれます。それぞれ、21%と6%の割合とされています。
土地利用(24%)
人間が消費するための作物(8%)の2倍の排出量が、家畜のための土地利用 (16%)から生じます。土地利用には農地拡大のための森林伐採などが含まれ、アマゾンの熱帯雨林などは大きな課題を抱えています。
食肉の環境負荷はどの程度?
そのほかの食肉にまつわる情報を追ってみましょう。
土地利用
地球の陸地1/4が畜産に使用されていることが分かっています。人口は今後20億人ほど増える可能性がありますが、食事内容を変えなかった場合、インド国土2つ分の森林を開拓する必要があるとされており、陸地に占める畜産業の割合がさらに増える可能性があります。どうすべきがは自ずと見えてきます。
水の利用
1kgの牛肉を生産する(牛を育てる)のには15,000リットルの水が必要になります。これは10ヶ月分のシャワーの水の量と同じ程度です。世界には15億頭の牛の家畜がいるとされていて、この量の牛を育てるのに必要な水の量は天文学的な量であることがお分かり頂けると思います。
種の偏りが発生中
地球上にいる哺乳類のうちどの程度野生動物がいるかご存知ですか?
なんと、たったの「4%」。では残りの96%をどのような動物が占めているかというと、人間が「36%」家畜が「60%」という研究結果があります。人類と人類の食のエコシステムを支えるために最適化されすぎた結果、ものすごい偏りが発生しています。
過去50年野生動物の個体数は68%減少したとされていて、家畜を成育するために伐採されたアマゾンに住んでいた野生動物が減少するなどのスパイラルが起きた結果といえます。生物も地球環境の一部とされており、このような偏りも環境に悪影響があると言われます。
ということで、食事が持つ環境に対するインパクトを定量的に追ってみました。
直感的にイメージしにくい関係性だとは思いますが、日々「食卓でおこなっている選択」が環境に間接的に影響を与えているということはイメージしていただけるようになったと思います。
プラントベースフードはこのような課題に立ち向かう解決策の一つとなります。
もし日々の生活で少しでも良いことをしたいと感じていらっしゃるようであれば、これが最適な選択の一つであることは間違いありません。
ぜひ日々の食生活に取り入れることをご検討ください。
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